世界自然遺産“白神山地”の白神こだま米糠酵母「白神ブナの力」について

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日ロ有機農業フォーラム

2019年5月24日 ロシア沿海地方ウスリースク農業アカデミー主催「日ロ有機農業フォーラム」にてプレゼンテーション)

今回、有機農業フォーラムにご招待を受け、プレゼンテーションが出来ることを感謝申し上げます。
農業アカデミーを訪れるのは今回で3回目になります。

私は、長年秋田県庁に勤め、商工業、医療保健、そして国際交流の部門で働いてきました。
2005年3月、秋田県庁を退職後、農事組合法人で米と大豆栽培を行い、ジャンボニンニクの有機栽培を試みてきました。そして、障害者の福祉施設を運営し、農業と福祉の連携を行っております。

また、ウラジオストクの友人から菩提樹蜂蜜を輸入して販売しております。
今後は、非遺伝子組み換えの大豆、トウモロコシの輸入を考えております。
沿海地方ともっとも近い秋田県との定期航路の実現を目標としております。

2015年3月に秋田日露協会を組織して、3回のロシア沿海州経済文化交流団の団長としてロシアを訪問してきました。昨年の11月17日に在ウラジオストク日本領事館主催のジャパンフェスティバルにおいて鉄道文化会館の舞台において秋田犬「力王」(1才3ヶ月)を秋田日露協会理事長として沿海州露日友好協会に寄贈しました。

また、日本武道の紹介、秋田県の物産、日本酒の試飲サービスを行ってきました。
その2日後の19日に、私はここのアカデミーで教員、学生の前で微生物農業についてプレゼンテーションを行いました。学生達が目をキラキラ輝かせて私の話を聞いてくれて感動したことを覚えております。

これからのロシア農業の発展は彼ら学生達の努力と成長にかかっていると感じています。
今回は昨年11月に行ったプレゼンテーションを詳しく説明したいと思います。


世界自然遺産「白神山地」について

最初に世界自然遺産「白神山地」について説明します。

日本の東北地方にある青森県の南西部から秋田県北西部にかけて広がっている標高1000m級の山地を白神山地といいます。

白神山地が世界自然遺産に登録されたのは1993年12月、「人の影響をほとんど受けていない原生的なブナ天然林が世界最大級の規模で分布」し、その普遍的な価値が世界的に貴重なものとして認められたからです。

白神山地はロシア側からみると日本海の対岸790km先にある秋田県と青森県境にあるブナ林の広大な森です。
膨大な雨水と栄養が蓄積されて、川となって日本海にたくさんの養分を送り出してきました。秋田県と青森県の日本海沿岸沖にはプランクトンが発生し、それをエサとするタイやヒラメ、アワビなど様々な魚介類を育む豊穣の海となっているのです。

白神の森は化石などから約8千年前にできたことが分かっています。
微生物が環境に適応して進化を遂げるには古い森が大きな条件のひとつです。白神のブナの森は、アマゾンやボルネオの熱帯雨林に匹敵する古い森です。

白神の森は中に入ると傾斜が急で、その為に人が入りにくく、ほぼ手つかずの自然が残っていました。土壌にはふかふかと分厚い落ち葉のマットがつくられ、枯葉をエサとする微生物が暮らしやすい環境になっています。


白神こだま酵母の誕生

1997年、世界自然遺産指定地域内で採取した腐葉土の中から、製パン用の酵母菌が秋田県の小玉健吉工学博士と秋田県総合食品研究所の高橋慶太郎主幹研究員との共同開発で発見・開発されました。

腐葉土から分離された約500株の中から発酵性のあるものを選別し、さらに発酵力の強いもの・増殖力のあるもの・保存性のあるもの・香りのあるものと選別していき、とうとう一株だけが残りました。

白神こだま酵母は寒さ、暑さ、乾燥にも強く、世界最強クラスの酵母と言ってもよいと断言できます。

この酵母は製パン用だけでなく、調味料や医療、化粧品、土壌回復、消臭剤としての開発研究が進められてきました。

現在、この酵母は土壌の浄化と養豚業の消臭効果に実績を上げており、茨城県のレンコン農家が直面しているセンチュウ被害や、秋田県鹿角市の養豚業者の悪臭対策に効果を上げています。

ただ一つ、この酵母には莫大な資本が投下されたため、秋田市内の業者のみがその製造・販売権を持ち、価格は非常に高いという課題がありました。


「白神ブナの力」の開発

そこで弊社では昨年4月から高橋慶太郎氏を研究顧問として迎え、白神こだま酵母を安価に一般へ普及できるよう研究開発を進めてきました。

商品名「白神ブナの力」は、当社の生ゴミ処理機を活用し、白神こだま酵母を米糠で増殖させた酵母です。

米糠には菌を増殖させる機能があり、1年間の実証実験の結果、植物性バイオ製剤として土壌浄化剤および畜産業の悪臭対策として安価に使用できるよう商品化しました。


ロシア沿海地方への提案

ここロシア沿海地方では、外国人による農地への多量の農薬・化学肥料使用により、植物が育たない荒れた農地が増えていると聞いております。

化学肥料を過剰使用して栽培された植物を人間や牛が食べることで、健康を損なうという世界的問題が起きています。そのため各国では環境税や化学肥料への課税、過剰施用への規制が行われています。

農薬や化学肥料、動物性堆肥を多用すると植物が育たなくなります。
その原因は、これらに含まれる抗生物質が土壌中の微生物を死滅させるためです。

白神こだま米糠酵母は、荒れた農地を回復させます。
酵母菌が土壌中で増え、他の微生物の栄養源となり、多様な微生物が増殖する土壌環境をつくります。

有用微生物が増えることで有機物分解が促進され、土壌の質が向上し、植物の根張りが良くなり成長が促進されます。


結び

化学肥料の過剰使用で環境問題を起こしたのは人間。
その問題を解決するのも人間です。

ロシア人と日本人が問題意識を共有し、より豊かな自然環境を育てていくことが必要です。

「白神ブナの力」でロシア極東の豊かな自然環境を取り戻し、新たな産業と雇用を生み出す開発ができることに、私は協力を惜しみません。

大好きなロシア沿海地方の方々の笑顔を見ることができるなら、こんな嬉しいことはありません。

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